ねむりたりない

にんげんは1回目なので

押井守「イノセンス」を見たので感想文をかいた

押井守のことはよく分からないけれど、インテリオタクや拗らせサブカル男子が好きな監督という知識だけでNetflixにあった押井守「イノセンス」を軽い気持ちを見て、なんだか急にオシャレな気持ちになったので文章を書いてみたくなった。

イノセンス アブソリュート・エディション [Blu-ray]

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私の通ってるエニタイムフィットネスはトレーニングマシーンのディスプレイでNetflixが見れる。なにかトレーニングをしながら気楽に見れるような映画を見ようとマイリストから作品を吟味し始めた。トレーニングメニューの時間表示が1時間だったので1時間くらいで見れる作品がいいかなと思ったのだけど、結局ピンとくるものがなくてパプリカのような悪夢を見るような少し気味の悪いSFが見たくなり、この作品単体で完結するだろうと「イノセンス」の視聴を始めた。

ところでジムのトレーニングしながら見る作品は何がいいのだろうか。やはり海外ドラマなどを見るのが時間的にちょうどいいのだろうか。私はアニメ2話を見て5キロ走り終わるくらいのゆっくりとしたペースで走るのがいつものルーチンなのだが、アニメに見入ってしまってトレーニングに身が入らなくなったりもした。ラジオを聞いて走っていたこともあるのだが、ジムという視界が変わらない場所で走るのはあまり得意ではないようで映像がついていた方が飽きずに走りきれるということもわかった。お笑い番組やライブ映像は走っている最中に顔がにやけてしまうので大変に挙動不審なのが問題点である。トレーニングにも集中出来るが気を紛らわすことの出来る程度のベターな作品をはやく決めたいなと思っている。

「イノセンス」についてだが、序盤はなにやらわからない点が多く、そもそも世界観も分からなかったが、見続ければ最後にわかる種類のやつかと大人しく見続けて最後の最後になって「攻殻機動隊」を見ていないと楽しめないということがわかった。それもピンとこなければストーリーだけをおってよくわからない作品だったと判断を下しかねないくらい内容の理解が出来なかった。

私はサブカルやオタクと言われるような人間なので「攻殻機動隊」は見ていなくても、有名な作品であれば多少はどういう声優が声をあててるかも知っている。それは「攻殻機動隊」もそうだ。そもそも声優一覧が大塚明夫、山寺宏一、田中敦子と表示されているにも関わらず「攻殻機動隊」に関連付けなかった自分が悪いような気持ちにさえなる。序盤から中盤にかけて田中敦子がほとんど出演がない時点でこれは少佐がキーマンなのだと察するべきだったと思ったりもする。今更なのだけど。

蛇足だが、田中敦子は日曜の朝10時からTBSラジオで放送されている「安住紳一郎の日曜天国」というラジオ番組のリスナーである。彼女はパンダのシャンシャンが生まれた際に上野動物園が公募する新生パンダの名前を見事的中させようという番組の企画にメッセージを投稿し、職業を隠し電話出演をするも彼の番組内で暴かれた過去がある。田中敦子a.k.a完熟マンゴーといえば日天リスナーは少しは盛り上がるかもしれない。本当に蛇足だった。あと、趣味はあればあるほどに広がりを持つのだなと体感したのでいい経験になった。

私の中の「攻殻機動隊」の知識というのは、世の中のインテリ気味のオタクやサブカルを拗らせてこだわりが強くなりすぎた男子やロボアニメが趣味のオタクに好かれている作品というくらいだったし、私はロボアニメには興味が無いと食わず嫌いをしていた。

「攻殻機動隊」を見ていないと楽しめなさそうだぞという点も含めてなのだが、人間関係をそのまま同作から引き継いでいるようなので人物相関を理解しないまま作品をみるのはどうも難しい。

中華街のような街並みの世界観にも関わらず、登場人物は日本語を流暢に操り、機械化された人間の形をしたものが一見人間らしくみえる人物と対等に話す世界に戸惑いさえ覚えた。どうやら、人型アンドロイドと人間はコミュニケーションを取れる世界のようだが、アンドロイドが人を攻撃しているではないか。

なぜ人間は人の形をしたものを作りたがるのかという問いが印象的だった。人形が人の形をしているのは完璧な人造人間を作りたいという願望の表れで、ひいては親の意のままに教育またはすり込みのできる子育てがその野望を表しているのでは、というやり取りはクレバーだなと思った。

こういう少し小難しい言葉のやりとりが格好よく聞こえると同時にその真意を理解していない自分の学のなさにガッカリする。

あと引用が多すぎてどこのオシャレ洋画かと思ったけれど、自分の学のなさを恥じたので勉強しようと思った。そもそもなんの引用をしていたかも思い出せないという問題があるのは置いておきたい。
映像において光の表現が美しいと思った。電子画面特有の青く光る感じや薄暗い部屋の見えているのに暗い様子が表現されていてリアリズムを覚える。

近未来的な表現も見ていて面白い。視点の交換が起こる際に、ロボットはロボットらしい視覚表現、例えばだが、人間を認識する際にその輪郭をオレンジ色の線で囲うなどがわかり易くデフォルメされていて良かった。

あと物理的に肉体に機械をカスタマイズしている世界の表現というのは人間が古今東西求めてやまない人間不老不死そのものを表していて気味が悪くてよかった。人間の体にコンセントが刺さったり、身体が急に開いてプラグと接続して脳に多量のデータをインストールし処理ができるようになるグロテスクな表現がさも自然に行われるなんて、SFの最たるものだった。実際にそういうことが行われるようになればそれだけで研究職なら格段に作業効率があがるかもしれないし、自分自身がパソコンのような高機能処理をできるようになれば何不自由なく仕事が進む人もいるかもしれないが、身体が急に開いたりするのは気味が悪いのでちょっと私は遠慮しておきたい。

そして私はポルノグラフィティの「空想科学少年」という曲が思い出された。

空想科学少年

空想科学少年

  • ポルノグラフィティ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

こちらが1番のAメロ

ラララ僕が大人になる頃には
さらに科学は理想の世界を創る
ララ呼吸をしない犬はもういるから
僕自身もまもなくロボットになれる
ハートも鉄になるのさ
傷ついたら取りかえようあの子のことも忘れれる

こちらが2番

ラララ街は生身では危険すぎる
もはやここに温もりなどはない
ルックスも選べれるのさ
これでコンプレックスとお別れ
みんないっしょ同じ顔

現在の科学技術の進歩を皮肉りながら失恋について歌っている曲になるのだが、この「イノセンス」の世界観も科学技術の進歩の皮肉でしかないんだよなと思いを馳せた。

内容がほとんどわからなくても見続けられる程度に絵が美しいのでそれだけでも見ておけばいい。美しい表現はそれだけで楽しめる。

あまりにも分からなかったものだから少しTwitterやFilmarksで他人の感想を読んでみたところ、どうやらこの「イノセンス」は押井守作品のなかでもトップを競うレベルで難しいという評価をしている人がちらほらいるような内容なのだそうだ。それならば分からなくてもいいかなと思いそうになるが、なんだか引き込まれてしまうので、「攻殻機動隊」を見て世界観や思想を理解した上で再度見てみようと思う。

Filmarksに感想は既に書いているのだけど、せっかくだからブログにも書こうかなということで加筆修正して載せる。